【書籍】独ソ戦

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大木毅著の「独ソ戦」読了。

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 (岩波新書) [ 大木 毅 ]
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当該書籍は「新書大賞2020第一位」受賞作品で、読みたいなと思っていたらすでに息子が購入して読み終えていたので、借りて読むことに。

学生時代、歴史はちょろっとしかかじっていなかったため、独ソ戦があったことだけは認識していたものの詳細まで知らず、今回当書籍を通して、独ソ戦が日米の太平洋戦争同様に地獄の戦いであることを知る。

当初独ソは不可侵条約を締結していたが、1941年にドイツが条約を破棄しソ連に進攻。当時ソ連はレーニン亡き後スターリンが書記長として君臨するも、権力基盤は盤石ではなく、隙きあらば追い落とされる状況であったため、秘密警察を動員し、ソ連の指導者達を逮捕・処刑の蛮行を行う。

その数、1937年から38年に渡って3万4301名の将校が逮捕、あるいは追放されたとのこと。うち2万弱が銃殺され、軍隊は優秀な指揮官を失い脆弱な体制となっていた状況。

それをヒトラーが知っていたかは定かではないが、当該戦争開始直後はドイツ軍の快勝の連続となっていたが、最終的にはソ連軍が持ちこたえ、ドイツ軍を倒す結果に。

当該戦争による人的被害として、ソ連側は戦死518万7190名。戦傷死・行方不明等を入れると1128万5057名。一方、ドイツ側444万ないし531万8000名戦死者を出している。如何に当戦争がジェノサイとであったかが戦死者数からも伺える。

当戦争でドイツが勝利していたら、ユダヤ人のみならずロシア人に対してもジェノサイとが行われていたであろう。しかし、現実はソ連勝利となるも、ポーランド、チェコスロバキアやバルト諸国にいたドイツ系住民が追放され、迫害されている。数として1200万から1600万人。彼らは徒歩でドイツに向かうも途中命を落とした数が100万とも200万とも言われている。

戦争に勝っても負けても戦勝国によるさらなる虐待・虐殺が行われるも歴史にはその行為を葬らせようとされ、敗戦国の戦時中の行動だけがプロパガンダにより歪められる。

そのため、歴史を正しく知ることは重要であるが、正しい情報を如何にして入手するかが鍵となる。今の日本のマスコミからは間違いなくバイアスのかかった情報となっているので、多くの書籍を通じて学んでいくしか無いのだろう。

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