【書籍】ビゴーが見た日本人

書籍

清水勲著の「ビゴーが見た日本人」読了。

ビゴーが見た日本人 (講談社学術文庫) [ 清水 勲 ]
価格:1023円(税込、送料無料) (2021/12/28時点)楽天で購入

明治15年(1882年)に来日し17年間滞在したフランスの漫画・写生類画を描いたフランス人ビゴーが描いた日本・日本人について論じられた日本人論。

幕末「攘夷」として西洋を毛嫌いしていた日本が、徳川幕府を倒して近代化した明治時代以降、急激に西洋化されていく模様をビゴーが描く漫画・新聞に掲載された挿絵を通して日本の成り果てを紹介する内容。

当時の一般の日本人は栄養不足もあり、出っ歯で目が切れ長であったため、その特徴がうまく描かれているが、その影響が100年以降も西洋人にとって典型的な日本人として捉えられているところが読んでいて悲しくなる点であった。

また、今から150年以上も前であるにもかかわらず、現代にも通ずる天が多く感じられた。特に、く古来からの文化を否定し、西洋化する模倣する点や、西洋人にコンプレックスを抱いている点をうまくビゴーで絵に捉えられて描かれている。

下記絵は明治19年(1886年)にイギリス汽船のノルマントン号が横浜から神戸に向かう途中、紀州沖で沈没したが西洋人乗組員27名はボートで避難して助かったが、日本人乗客23名は全員死亡したとのこと。しかも賠償が一切行われなかったとのこと。

下記は日清戦争後、ロシアのなんか制作により満州・朝鮮への影響力を与えられてきたため、日本として対ロシア政策が重要な課題となってきており、朝鮮の養育をどちら(日本かロシア)がやるかという内容となっている。それを意義るりがじっと様子を伺っている不気味さが描かれている。

30年以上前に教科書では見かけなかったビゴーの絵を通して激動の明治時代を学べることが出来るので大人だけでなく子供にも役立つ書籍であった。

昨今国際化が強調されるようになっているが、まずは外国語を学ぶ前に自国の歴史を学ぶのが先決かと思われるので、多くの日本人に一読いただきたい書籍であった。

コメント

タイトルとURLをコピーしました