サミュエル・ハンチントン著(鈴木主税訳)の「文明の衝突 上・下」読了。
作品名は失念してしまったが、当作品が紹介されており、その中で日本の文化・文明を褒めいているとのことで興味をもち購入してみたが、いわゆる地政学をテーマにした内容。
著者は世界を西欧・中国・日本・イスラム・インドゥー・スラブ・ラテンアメリカ・アフリカの八つの文明に分けて、冷戦終結後の様々な紛争を “異文明間の衝突” ととらえ解説されている。
産業革命後、西欧が世界を植民地化したが、第二次世界大戦後、植民地は自立を果たすも今だ世界の基準が西欧のドクトリンになっているため、冷戦後世界は安定になるかと思いきや、このドクトリンに対する反発がみられるようになり、衝突する原因になっている。
また、日本はアジアの中でも独自の文化・文明を持っているため、中華文明には属さないとのこと。文字として漢字を使うが、島国での独自の歴史をもち、そこから価値観も他のアジアとは共有し難い独自のものをもっているため、アジアではEUのような共同体を作り上げることは無理とのこと。
現在中国が経済・政治・軍事・宇宙分野においても他国を引き離し、力を蓄え始めており、欧米諸国による反発が更に強まることが予想され、新たな衝突が生じることが考えられる。その際、日本としてどのような対応を迫られるか、対処すべきかを今から考えておく必要があるが、これは政治家の仕事。
ただ、多くの日本人に今後の世界情勢については考える必要があると考える。まずは日本の歴史から鑑み、過去日本はどのように他国との衝突を避けてきたかを知る必要があり、まずは歴史から学ぶ、そして書籍を読んで考えていければと思う次第である。
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